非電離型次亜塩素酸でのゾーンディフェンスの構築の提言ー新型コロナの流行を防ぐためにー

慶應義塾大学医学部感染症学教室 共同研究員で元慶應大学グローバルリサーチインスティチュート所員 博士(薬学)宮田義之先生より、表題提言書を寄稿いただきました。

要旨は以下です。

1.次亜塩素酸の歴史と誤解

(1)公共的な「消毒」の概念形成は、水道水の殺菌消毒に塩素を用いたことに始まり、塩素の供給源として次亜塩素酸ナトリウム水溶液が使われるようになった。即ち、次亜塩素酸イオンえを塩素の供給源としました。

(2)その後、技術的進歩に伴い、「塩化ナトリウムの電気分解」「塩化イソシアヌル酸類の加水分解」等の方法により得られる「次亜塩素酸類」が次亜塩素酸イオンより。はるかに高い消毒効果があることがわかりました。

(3)次亜塩素酸と総称されるものは、「次亜塩素酸ナトリウム水溶液」「電解次亜塩素酸水」「塩化イソシアヌル酸類を加水分解して作られる電離型次亜塩素酸」「塩化イソシアヌル酸類を緩衝塩下で加水分解して作られる非電離型次亜塩素酸」の4つに大別できます。

(4)「非電離型次亜塩素酸」は「次亜塩素酸ナトリウム」と比べて、25倍の殺菌消毒効果がある。つまり、濃度が25分の1で済む。また、急性経口毒性のLD50値では、「非電離型次亜塩素酸」の5000mg/kg以上であるのに対して「次亜塩素酸ナトリウム」は1100mg/kgと低い値を示します。

(5)4つに大別される、次亜塩素酸類が混同して議論されているところに誤解が生じていると考えます。

2.消毒剤の噴霧について

(1)元来、消毒剤を噴霧することは普通に行われてきました。過去、コレラ、赤痢の発生流行においても消毒剤噴霧は当然のごとく行われてきました。また、消毒剤以上に毒性の強い農薬や殺虫剤の噴霧も普通に行われています。

(2)WHOは「消毒剤の噴霧は推奨していない」ということではなく、正しくは「噴霧に際しては、人に対する毒性発現を考慮することなく消毒剤噴霧は推奨しない」ということと考えます。。

(3)現実には、武漢、パリ、モスクワにおいて大規模に消毒剤を噴霧しています。

(4)従って、消毒剤の噴霧は、「人のいない時に行う」「消毒剤の毒性発現のない範囲で行う」ことまでも否定している訳ではないと考えます。

(5)新型コロナウィルスは、エアゾル感染が強く示唆されており、これは、消毒剤による壁面、床面の清拭だけでは十分に消毒できない可能性があり、空間除染の必要性性が高いと考えられます。

3.新型コロナ感染症と幼児感染の危険性

(1)新型コロナウィルス感染症状に「川崎病様症状」があり、特に幼児において発症しやすいと報じられています。

(2)これは、新型コロナウィルスが、血管、神経、腸管などに配向しやすいことにより起こる症状で、血管炎。血管閉塞、全身性エステマトーデス等の障害を生じ、生涯に渡って障害が残る可能性があります。

(3)現在、新型コロナウィルス感染時の治療薬はありません。また集団免疫獲得のためのワクチンもありません。重症化の可能性がある幼児への感染を防ぐには、空間除染によるゾーンディフェンスが重要です。

(4)現在ヨーロッパで流行している強毒株の日本上陸を阻止するためには、感染症に強い社会が構築されることを切に望みます。

詳細は、原著をご熟読ください。

宮田先生提言書20200608